3月24日キチムに来てくれたみなさまに感謝します!
集まれただけでありがたかった。
本当にありがとう。


地震後、はじめてのライブでした。


やれるかな?ほんとにやれるのかな?
どんな風に歌えるのかな?
もしかして泣いてしまったりするんじゃないかな?
と考えてみたけれど

やれることでいいからやらなくては!いま、東京で!
と思った。直感的に。


部屋の電気をおとし、飲食をとりやめ、歌以外はすべて生音
食べたり呑んだりしながら観てもらういつものキチムの雰囲気をやめて

蝋燭の灯と弦の音色に包まれて歌っていると、、、


「底の底にいるみたいだなー」と思った。


みんなで身をよせあって
ちいさく揺れる火をただ黙ってみつめているようだった。


ひとりひとりの中にあった
言葉にならないさまざな想いが

緊張した身体からゆっくりゆっくり離れていって、
空気中をゆらゆらゆらゆらと揺れながら、舞っている。


どこかでキャンプファイヤーをしているようでもあり、
洞穴のなかで祈りを捧げているようでもあった。


そこに向かってわたしは
「がんばろう!」とか「のりこえよう!」と言ったような
ことを軽々しく言うことができなかった。
(それでも何か言えれば良かったのだけど・・・)


ただ目をとじて、歌うだけで、精いっぱいだった。


テレビやラジオやインターネットじゃなくて。
生身の人間からやってくる「氣」ほど、強烈で、確かなものは、ない。


あれほど密度の濃い沈黙を味わうことは、
アトにもサキにも、もうないだろうと思う。




こ こ か ら た く さ ん の こ と が は じ ま る 
( も う は じ ま っ て い る )


し ず か に み て い よ う 


い ま わ た し た ち は と て つ も な い へ ん か の な か に い る の だ か ら



あの日の空気を 一生忘れないと思う。



フォノライトストリングスのみんな、
灯りをともしてくれたCandle JUNEくん、
踊りにきてくれた黒田育世さん、
キチム&クラムボンのスタッフへ


どれだけ心強かったことか!


感謝します。ありがとう。



いくこ

(2011.3.27 原田郁子ブログより)